テキストサイズ

お酒とオールバックに溺れる夜

第22章 第22酒 -戦友③の味-

薫さんから返信が来て

私達は
自宅療養中の
薫さんのお家で
会うことになった。

「薫さん

ごめんなさいっ!!!

今まで何の連絡もせず、

お見舞いにも行けなくて...」

「いいのよ、気にしないで!

寧ろ、私が悪いの...

彩菜に叩かれたって聞いたし...

ごめんね、私のせいで」

前より
痩せてしまった身体は
弱々しく
儚げで

堂々と
強くて
格好良かった
薫さんの姿は
そこにはなかった。

「お身体の具合は、どうですか?」

「純が色々と世話してくれるから
問題ないわ...

もう、お酒が作れないから
ママには戻れないけど

...今とても幸せよ」

「そうですか、良かった...」

「来年の春辺りにね

結婚の話が出てるの...」

「おっ、

おめでとうございますっ!」

私は
チクッと
胸に刺が刺さったように
痛かったけれど

薫さんと純さんが幸せなら
それでいいと

自然に
祝福する言葉が出て
安堵した。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ