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お酒とオールバックに溺れる夜

第23章 第23酒 -遅すぎた愛の味-

「薫、好きだ!」

純が22歳、
私が28歳の頃

純に、
告白されたことを思い出す。

当時の私は
銀座一のママになるのだと
野心に燃えていた

30歳が間近に迫っていて
クラブのママになるには
遅すぎるくらいで

少し焦りがあった時期でもあった。

18の時から面倒を見てた
純を
憎からず思ってはいたけど

純と付き合えるほど
私は若くなかったし、

正直
後ろ楯を持たない
彼との付き合いに
何のメリットも感じられなかった。

だから
純との爽やかな交際よりも

同じ頃に
アプローチを受けていた
有名な政治家と
寝ることを選んだ

そうして、
私は夜の街を
這い上がってきたのだ。

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