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お酒とオールバックに溺れる夜

第24章 第24酒 -決別。そして、雪解けの味-

辿り着いた場所は
小さなアパートで

ある一室のドアに
もたれ掛かり

純は誰かを待っている様だった。

やっぱり、
あの子に会いに来たのね...

予想通りの展開に
虚しさを覚えた。

でも...
最後の最後まで
足掻きたい。

純を
手放したくない。

私は
階段の影に隠れて
様子を窺っていた。

暫くして
未亜ちゃんが
仕事から帰って来た。

二人の話し声は
雨の音に
掻き消され
良く聞こえない

我慢できなくなって
階段を登ると

未亜ちゃんを
抱き締めながら
泣いている純の姿があった。

信じられない。

貴方が、

泣くなんて...

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