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お酒とオールバックに溺れる夜

第9章 第9酒 -家族の味-

「純は、キツイ所があるだろ?

未亜さんを
困らせたりはしていないかい?」

一緒にお茶をしていると
純さんのお父様は
申し訳なさそうに尋ねてきた。

「いえ、とんでもないです!

私がご迷惑をかけてばかりで...

とても優しい方です」

私は、屋上で自殺を止めてもらったことや、
母親からの呪縛から救ってくれたこと

恋に落ちてしまったこと
全てを話した。

「そうかい...
純がそんなことを...」

しばし何かを
考え込むような様子の後

お父様は、ゆっくりと話し始めた。

「純は、誤解されやすい性格だけどね、
本当は優しくて寂しがり屋なんだよ...

特に夜の世界で生きてると
偏見が多いでしょう?

それに、虚勢を張っておかないと
やっていけない面もあるからね...

未亜さんなら
純の本当の姿を
見つけてくれるかもしれないね...」

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