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お酒とオールバックに溺れる夜

第9章 第9酒 -家族の味-

私は後日、

純さんのお父様に
きちんと謝りに行こうと思い、

大福を手土産に、
純さんのお家を訪れた。

インターホンを押し、
純さんに断りもなく
勝手に押し掛けたことを
後悔しながら
ドキドキ待っていると、

ガチャ

家のドアを開けてくれたのは、
純さんのお父様だった。

「いらっしゃい、よく来たね!
 
純は、まだ寝てるけど起こしてくるよ...」

「いえっ、あの、今日は

お父様に改めてお詫びをしようと。。。」

初め驚いた表情を浮かべていたが、
すぐに笑顔になり、
私を家に上げてくださった。

「先日は、挨拶もなくお邪魔してしまって、

本当に本当にすみませんでした!!」

深々と頭を下げた。

「もし...もし、ご迷惑でなければ、

お母様にも
お詫びのお線香を上げたいのですが。。。」

純さんのお父様は、相変わらず優しく

「もう気にしなくていいから...」

と言って、

「丁度、

妻にも君のことを紹介したいと

思っていたところなんだ」

と、快諾してくれた。

「幸子、純がね、未亜さんという

可愛らしい女性を連れてきたんだよ...

どうか、よろしく見守っていておくれね...」

お母様への紹介が終わると、
私は心の中で失礼を深く陳謝し

お詫びのお線香を上げさせて頂いた。

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