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お酒とオールバックに溺れる夜

第9章 第9酒 -家族の味-

「純は、それ以来
自分の本当の気持ちを
表現することを止めてしまったんだ

だから...
純自身
いつのまにか
本当の自分が
分からなくなってるんじゃないかな...」

お父様は
私なら
純さんの本当の姿を
見つけられるはずだと言った。

そして、
息子を救ってほしいと。

私にそんな
力があるのだろうか。

私ごときが
純さんを救えるなんて
そんなおこがましいこと
思ってもいない。

でも
苦しんでいる
純さんの心に
寄り添うことは出来るかもしれない。

自信無さげに
答えた私に

「純が
家に連れてきた女性は
純の初恋の相手と
あなただけだ...

純を好いてくれているのなら
自信をもってもいいんじゃないかな...」

と励ましてくれた。

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