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お酒とオールバックに溺れる夜

第11章 第11酒 -戸惑いの味-

「そろそろ、
新しいカクテル試してみるか?」

純さんは
カウンターを片付けながら
新しいカクテルを勧めてくれた。

「【バレンシア】って言うカクテル

ブランデーをオレンジで割ってるから

初心者でも
比較的飲みやすいと思うけど...」

カクテルグラスに注がれた
それは
オレンジの甘い香りがして
オレンジピールの
ほろ苦さと甘さが
絶妙にマッチした

ちょっぴり大人の味がする
カクテルでした。

「美味しい...
何だか、大人になった気分♪」

ほろ酔いの私は、
さっきの
純さんに鋭利な言葉で
刺された傷を隠すように

ご機嫌なフリをして
飲み進めた。

「処女の癖に」

「そっ、それは
関係ありません///」

「セックスも知らないで
何が大人だよ...」

隣に座った
純さんに
デコピンを放たれてしまった。

「痛ッッ!!
純さんの意地悪っ!!!」

「そうだよ
俺は、孝哉みたいに優しくないからな」

孝哉さんという名前に
少し気まずい空気が流れた。

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