テキストサイズ

お酒とオールバックに溺れる夜

第12章 第12酒 -強がりの味-

もし、あの時
純さんが戻ってくるのを
待っていたら

電話の相手について
何か聞けたのだろうか。

私と純さんの間に
進展はあったのだろうか。

いや、良いことなんて
何一つなかっただろう。

帰って
正解だったのだ。

だって
尋ねる勇気なんか持っていない。

そう、何も
聞けないまま

身体だけ
慣らされていくのだから。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ