
愛がはじまる
第1章 愛がはじまる
27
そのあと、満さんは、セックスについての話をしてくれました。
人類が、子どもを産むためのものであったセックスから、楽しむためのセックスを発見してからずっと、セックスは、女性が気持ちよくなるためのものだった、と言うのです。
その証拠に、女性には、快感を得るためだけに存在する、クリトリスがあるとも、言いました。
それなのに、いま多くの人がしているセックスは、男性が射精するのが目的となっているみたいで、間違っていると言うのです。
だけどそれは、階級がうまれ男性優位の社会になってからの、たかだか数千年くらいのもので、人類の二十万年という歴史からみたら、ほんとに短いので、いずれ、セックスは、女性が気持ちよくなるためのものに帰っていく、とも言うのです。
わりと長い話でしたが、セックスは、女性が気持ちよくなるためのものだというのが、よくわかりました。
「里美さんは
セックスを
気持ちいい
と思ったことは
ないんでしょうね?」
「ええ」
「じゃあ
どうして
そんな人と…」
「しかたなくです」
「可哀想に」
思わず、ポロッと涙が落ちました。
満さんに、可哀想にと言われたことで、彼の強引さがはっきりわかったし、それを拒めない自分を、情けなく感じたのです。
28
それに、満さんの、優しさが嬉しかったのです。
「したくない
と言ったら
怒りだして
怖かったんです」
「そんな人とは
もう
別れたほうが
いいですよ」
「そうですね」
「別れられますか」
「とりあえず
連絡を
絶ってみます」
「そんなことで
大丈夫ですか?」
「わたし
ということではなく
わたしの
『女』の部分だけを
みている
みたいですので
連絡を絶ったら
そんなに
執着しないと思います」
「里美さんみたいな
聡明な方が
そんな人と…」
「聡明じゃないからです」
「大樹君も
里美ちゃんは
頭いいんだよ
と言っていますよ」
「学校の成績は
よかったからです」
話をしているうちに、1時を過ぎてしまいました。
そのあと、満さんは、セックスについての話をしてくれました。
人類が、子どもを産むためのものであったセックスから、楽しむためのセックスを発見してからずっと、セックスは、女性が気持ちよくなるためのものだった、と言うのです。
その証拠に、女性には、快感を得るためだけに存在する、クリトリスがあるとも、言いました。
それなのに、いま多くの人がしているセックスは、男性が射精するのが目的となっているみたいで、間違っていると言うのです。
だけどそれは、階級がうまれ男性優位の社会になってからの、たかだか数千年くらいのもので、人類の二十万年という歴史からみたら、ほんとに短いので、いずれ、セックスは、女性が気持ちよくなるためのものに帰っていく、とも言うのです。
わりと長い話でしたが、セックスは、女性が気持ちよくなるためのものだというのが、よくわかりました。
「里美さんは
セックスを
気持ちいい
と思ったことは
ないんでしょうね?」
「ええ」
「じゃあ
どうして
そんな人と…」
「しかたなくです」
「可哀想に」
思わず、ポロッと涙が落ちました。
満さんに、可哀想にと言われたことで、彼の強引さがはっきりわかったし、それを拒めない自分を、情けなく感じたのです。
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それに、満さんの、優しさが嬉しかったのです。
「したくない
と言ったら
怒りだして
怖かったんです」
「そんな人とは
もう
別れたほうが
いいですよ」
「そうですね」
「別れられますか」
「とりあえず
連絡を
絶ってみます」
「そんなことで
大丈夫ですか?」
「わたし
ということではなく
わたしの
『女』の部分だけを
みている
みたいですので
連絡を絶ったら
そんなに
執着しないと思います」
「里美さんみたいな
聡明な方が
そんな人と…」
「聡明じゃないからです」
「大樹君も
里美ちゃんは
頭いいんだよ
と言っていますよ」
「学校の成績は
よかったからです」
話をしているうちに、1時を過ぎてしまいました。
