新・Beast〜獣たちに好かれた僕〜
第9章 小山さん
聖輝「あっあの!ぼっ僕涼野聖輝って言います。」
小山「涼野…聖輝くん…?」
聖輝「はい。」
小山「涼野くん…ね、覚えられるかな……」
聖輝「あの…無理に覚えなくてもいいですよ…?」
小山「いや、でも…」
聖輝「小山さんって…記憶障害なんですよね…?」
小山「えっ…?!」
聖輝「あっいや、その…友人から聞いて…」
小山「そう…ですか……」
聖輝「すっすみません…詮索したような形になってしまって…」
小山「……中学生の時に…交通事故に遭って…頭を酷く打って…脳に障害が残ったんです…」
聖輝「それが…記憶障害ですか…?」
小山「はい…その頃から…人の名前や顔が覚えられなくなって…学校の想い出も2.3日経ったら……」
聖輝「そうなんですか…」
小山「でも…不思議なことに他のことは忘れることないんです。基本的な生活とか、勉強や仕事の内容とか……」
聖輝「何でそれだけなんでしょうかね…?」
小山「さぁ…病院に行っても原因が分からなくて……」
聖輝「そうなんですか…」
小山「…でも…この仕事を紹介してもらってからは…記憶障害のことは気にならなくなりました。」
聖輝「もしかして…生徒の名前や顔を覚える必要がないから…?」
小山「まぁ…そうですね。」
聖輝「ふふ、本当は生徒の名前覚えないといけないですけどね。」
小山「あはは、確かに。」
キーンコーンカーンコーン
聖輝「あっ!!授業!!」
小山「あっ……」
聖輝「早く戻らないと!!しっ失礼します!!」
小山「はっはい……」