新・Beast〜獣たちに好かれた僕〜
第23章 忠義くん2
聖輝「ふぅ…スッキリしたぁ…」
「いやぁ〜大倉くんもついに退院か。」
聖輝「ん?」
廊下で医者と看護師が忠義くんのことを話していた。
「はい、半年間長かったようであっという間でしたね。」
「そうだなぁ…初めて見た時は酷かったもんなぁ…」
「はい…それがあそこまで回復するなんて奇跡ですね。」
「うん、ただでさえ命も危ういところだったけど…大倉くんの生命力はすごいな。」
「本当ですね。」
全身血だらけの状態で運ばれて助かって…リハビリも成功したなんて…
忠義くんの生命力は確かにすごいかも……
「でも…残念ですね…」
聖輝「ん?」
「リハビリしても…左足はほとんど動かないなんて…」
えっ……?
「事故の時に脚の神経が傷ついたんだ…今の医療の力ではどうすることもできない…」
「大倉くんも…そのこと分かってるのに…ずっと笑っていますよね…」
「あぁ…そんな大倉くんの姿を見ると胸が痛いよ……」
聖輝「……。」
忠義くんの左足は自由が効かないってこと…?
聖輝「……っ…!!」
僕…忠義くんの事情も知らず…
一緒に出かけようって…サイクリングしようって……
聖輝「…最低だ……僕……」
作品トップ
目次
作者トップ
レビューを見る
ファンになる
本棚へ入れる
拍手する
友達に教える