新・Beast〜獣たちに好かれた僕〜
第9章 小山さん
聖輝「小山さんってお金持ちなんですね、いいなぁ…」
小山「いや…お金持ちだからって幸せとは限らないので…」
聖輝「あっ…確かに…」
小山「はい…」
聖輝「お金持ちなのに家庭円満じゃないって…悲しいですね……」
キーンコーンカーンコーン
聖輝「あっチャイム!急いで教室戻らないと!」
小山「あの〜……」
聖輝「小山さん!また後でお話ししましょ!失礼しま」
小山「これ授業終わりのチャイムですけど…?」
聖輝「えっ…?」
小山「えっと…今11時30分なので…」
聖輝「えっ…もしかして…僕……授業サボったんですか…?」
小山「おっおそらく……」
聖輝「……。」
小山「……。」
聖輝「……ってえぇ?!ちょっ本当ですか?!」
小山「はっはい…」
聖輝「うわっどうしよう!!」
小山「おっ落ち着いてください…」
聖輝「もぉ!!小山さんのせいでチャイムの音すら聞き逃しちゃったじゃないですか!!」
小山「えっえぇ?!僕のせいですか?!」
聖輝「そうですよ!!小山さんが僕に話しかけるから長話しちゃったじゃないですか!!」
小山「いや…それは…すいません…」
聖輝「あーあ…まさかこんなことになるなんて…」
小山「…初めてだ…」
聖輝「えっ?」
小山「この高校に来て3年、勉強熱心な生徒と出会うなんて…」
聖輝「あっいや…まぁ…高校生なので…」
小山「そうですか…」
聖輝「あっ、じゃあ僕戻りますね。またお話聞かせてください。」
小山「はっはい…ではまた…」
僕は小山さんと別れ、教室に戻った。