新・Beast〜獣たちに好かれた僕〜
第10章 初デート
聖輝「あの…ごちそうさまでした。」
櫻井「いいえ。」
聖輝「すっすみません…たくさんお金使わせちゃって…」
櫻井「いいよ、気にしないで。」
聖輝「でも……」
櫻井「そうだ、聖子ちゃんこれ。」
聖輝「えっ?」
櫻井「プレゼント。」
聖輝「これ…」
櫻井「『フェアリー』で買ったプレゼントなんだけど…一旦俺が預かってもいいかな?」
聖輝「えっ?」
櫻井「このまま渡すのもいいけど…ちょっと手を加えたいんだよね。」
聖輝「はい、分かりました。」
櫻井「ありがとう、次会った時に渡すね。」
聖輝「はい、楽しみにしています。」
櫻井「…あっ…もう着いちゃった…」
車はいつの間にか僕の家の前まで着いていた。
聖輝「あっあの、今日はありがとうございました。楽しかったです。」
櫻井「こちらこそ、デートしてくれてありがとう。」
聖輝「じゃあ…またお店でお待ちしています。」
櫻井「聖子ちゃん。」
ギュッ
聖輝「えっ…?」
櫻井「また…俺とデートしてくれる?」
聖輝「…はい、もちろんです。」
櫻井「聖子ちゃん…俺の気持ち…変わらないから…」
聖輝「翔くん……」
櫻井「…じゃあ…またね…」
聖輝「はい…おやすみなさい…」
僕は翔くんと別れ、アパートへ入った。
聖輝「…楽しかった…」
楽しかったけど…女と偽ってデートするのは…やっぱり胸が痛い…
聖輝「いつか…ちゃんと話さないと…」