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新・Beast〜獣たちに好かれた僕〜

第11章 武田信玄



聖輝「あっ小山さん!」


小山「何か…困っていますか?」


聖輝「はい…あの、廃墟の地って何だと思いますか?」


小山「廃墟の地…?」


聖輝「はい…今日の17時そこで待ち合わせしてるんですけど…意味が分からなくて…」


小山「廃墟の地…使われていない場所ってことですか…?」


聖輝「使われていない場所…あの、この学校でそんな場所ってありますか?」


小山「使われていない場所…旧校舎ですかね…」


聖輝「旧校舎…」


狛犬さんが狂犬に変身した場所…


小山「旧校舎って言っても、不良の溜まり場になってるので…使われてないとは言えませんね…」


聖輝「そうですか……」


手がかりはなしか…


小山「…そういえば、旧校舎の1階の奥は立ち入り禁止になっていますね。」


聖輝「1階の奥…ですか?」


小山「ええ、そこだけ開かずの扉になってまして…」


聖輝「開かずの扉…」


小山「多分その場所のことなんじゃないかと…」


聖輝「そうですか…分かりました、ありがとうございま……あれ?」


小山「なっ何か…?」


聖輝「小山さん…何かいい匂いしますね。」


小山「えっ?」


聖輝「何だろう…チョコレートのような美味しそうな匂いがします。」


小山「チョコレート…ひょっとしてこれですかね…?」


聖輝「何ですかこれ?」


小山「昨日叔父の会食について行った時に女の人からもらった香水です…」


聖輝「香水?」


小山「何でもフランスで作られてるという高級品らしくて…」


聖輝「へぇ……」


小山「あの…僕いらないので…よかったらもらってくれませんか?」


聖輝「えっ?!こっこれ…ですか?」


小山「えぇ…僕…甘い匂いとか好きじゃないので…」


聖輝「そうですか…では…ありがたく…」


僕は小山さんからチョコレートのような匂いのする香水をもらった。


小山「…あっ、そろそろチャイムなりますよ?」


聖輝「あっ、じゃあ失礼します!ありがとうございました!」


僕は小山さんにお礼を言って教室へ戻った。

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