新・Beast〜獣たちに好かれた僕〜
第12章 ケルベロス
ガラガラ…
聖輝「失礼しました。」
僕は重たい資料を持って生徒会室に向かった。
聖輝「ハァ…何で毎回僕に頼むんだろう…」
しかもよりによって生徒会室に運ぶなんて……
聖輝「…ケルベロス…いるのかな…?」
できれば会いたくない……
聖輝「…ふぅ…よいしょっと…」
『うん、こっちは大丈夫だよ。』
聖輝「えっ…?」
生徒会室から何か話し声が聞こえてきた。
『うん…うん…心配しないで、さが高は俺が守るから。』
聖輝「この声……」
『…あははっ!じゃあまた後でね、さとしくん。』
聖輝「……さとし…くん…?」
ケルベロスの友達かな…?
聖輝「……。」
資料…届けないと…
コンコンッ
聖輝「すっすみませーん…あの、1年2組の生徒の資料を届けにきました…」
シーン…
聖輝「あっあれ…」
どっどうしよう…反応がない…
聖輝「すっすみませーん!」
…やっぱり反応がない……
聖輝「しっ…失礼します…」
僕は意を決して生徒会室のドアを開けた。
ガラガラ…
聖輝「あっあの…資料…を…?!」
ケル「………。」
いっ威圧感がすごい…!!
聖輝「しっ資料…どこに置けば…いいですか…?」
ケル「………。」
聖輝「あっ…こっここ…ですね…」
僕はケルベロスの目の動きを見て大きなテーブルの端っこに資料を置いた。
聖輝「あっあの…しっ失礼しました!」
この空気感異常なほど息苦しい…
さっさと帰ろう…!!
ケル「おい…」
聖輝「えっ?」
ガンッ!!!
聖輝「ひぃっ??!」
振り返ったと同時に恐ろしい顔したケルベロスに壁ドンされた。