新・Beast〜獣たちに好かれた僕〜
第15章 クラウン
次の日。
僕は朝早く優誠くんと狛犬さんと屋上で会う約束をしていた。
優誠「横山が撮った写真の近辺を探ったけど…何もなかった。」
狛犬「そっかぁ…俺も特に証拠は見つけられなかったんだよね…」
優誠「聖輝は?何か見つけた?」
聖輝「うん!あのね…これ。」
優誠「えっトランプ?!」
狛犬「これ何処で見つけたの?!」
聖輝「えっ?あっあぁ、コンビニの近くで通りすがりの人に貰って…」
優誠「マジで?!すげぇ!!」
狛犬「このトランプ何か証拠にならないかな?!」
聖輝「それがですね…トランプの側面見てください!!」
狛犬「トランプの側面?」
優誠「側面?側面……あっ!」
聖輝「気づいた?側面に血がついてるの!」
狛犬「本当だ…血がついてる!!」
優誠「この血の量からするとこりゃあ相当切ったかもな…」
聖輝「そう!そこがポイントなの!」
狛犬「ポイント?」
聖輝「はい!昨日の松本さんの姿を思い出してください。」
優誠「松潤の姿……」
聖輝「トランプでマジックするってことは…手使いますよね?」
狛犬「うんうん。」
聖輝「松本さんの手…ケガしてました?」
優誠「ケガ…いや、してなかった。」
聖輝「そう!ケガしてなかったってことは…このトランプの持ち主が松本さんじゃないってことだよね?」
優誠「そうか!犯人は事件起こしてる途中トランプで手を切った…ということは……」
狛犬「犯人は松潤じゃないってことじゃん!!」
聖輝「その通りです!!」
優誠「マジかよ…よくそんな証拠見つけてきたな!」
聖輝「うん!これで松本さんが犯人じゃないって証明できるよ!」
狛犬「あとは万引きだね…あれさえ無実が証明されたら松潤の退学は免れる!」
優誠「いやぁ…そこなんだよなぁ…無実証明するのもなかなか難しいし…」
聖輝「そうだね…」
狛犬「でもさ、今日万引きの瞬間目撃したバイトが来る日だよね?その人に話聞けば何か分かるかも!」
聖輝「あっそうですね!」
優誠「とりあえず放課後コンビニ行くか。」
狛犬「うん!」