新・Beast〜獣たちに好かれた僕〜
第18章 死神2
聖輝「……。」
優誠「あいつが不良狩りの犯人か…悪そうな顔してないのにな…」
聖輝「僕は…あの人を許せないよ…」
優誠「ん?」
聖輝「だって…あの人が狛犬さんを…!!」
優誠「あっそっか…死神からお前を守る為に狛犬が刺されたんだっけ…」
聖輝「うん…魔王さん…渋谷さんがいなかったら僕も狛犬さんも殺されてたから…」
優誠「そうか…ごめん…お前の気持ち知らんと勝手に…」
聖輝「ううん、優誠くんその場にいなかったから…」
優誠「…あいつ…ちゃんと反省してるのかな…」
聖輝「分からない…」
優誠「…やっぱりやめた方がいいんじゃね?2人きりになった途端グサッて刺してくるんじゃ…」
聖輝「僕も…その恐怖はあるけど……」
優誠「…あっそうだ、分厚い本を服の中に隠してたら刺されても大丈夫だ。」
聖輝「あの人…僕と会った時は目をグリグリしたいって言ってた…」
優誠「目?!腹より怖いし…」
聖輝「…優誠くん…」
優誠「なに?」
聖輝「もし…僕が死んでも…ずっと友達でいてね?」
優誠「死んでもって…不吉なこと言うなよ!!」
聖輝「だって…もしかしたらこの会話が最後になるかもしれないんだよ?」
優誠「やめろよ!!そんなこと言うの…」
聖輝「でも…でも…!!」
優誠「いい、行かなくていい!北島がいるならすっぽかしても大丈夫だって!」
聖輝「もしここですっぽかしたら…錦戸さんが暴れると思う…」
聖輝「あんな被害…もう2度と起こってほしくない…!!」
優誠「聖輝…」
聖輝「だから…僕一人が犠牲になる…」
これで不良狩りを防ぐことができるなら……
優誠「……分かった…念のために保健室の外で待ってるから、何かあったらすぐ大声で助け呼べよ?」
聖輝「優誠くん…ありがとう…」