新・Beast〜獣たちに好かれた僕〜
第18章 死神2
ある日、親父が親友の借金の保証人になった。
親父と親友は子どもの頃からの付き合いで、大人になった今でもよく一緒にご飯食べに行ったり、どこか遊びに出かけるなど、仲が良かった。
親父が一番信頼している人やから大丈夫って言ってたけど…
2年経った時、借金取りはとうとう親父のところに来た。
親友が親父を裏切ってトンズラした。
そのせいで家族の幸せは壊され、毎日毎日取り立て屋に怒鳴り散らされ、学校や近所からは冷たい目で見られ…
親父は毎日毎日土下座して謝り、顔を殴られては日に日に痣を増やしていた。
母さんもパートを始めたけどとても返せる金額じゃなくて…毎晩泣き崩れていた。
そして…心身共に限界を感じ…俺が中学に入るのと同時に家族揃って夜逃げをした。
たどり着いた場所は東京。
誰一人知り合いもおらへんところやったけど…やり直す為にはもってこいの場所だった。
それからは借金取りに追われることなく、家族全員力を合わせて少しずつ幸せな家庭を取り戻した。
そんなある日……
俺が中学3年の時だった。