新・Beast〜獣たちに好かれた僕〜
第18章 死神2
錦戸「…ふふ、はははっ!きみには分からへんやろ?全てを失った気持ちなんて……」
聖輝「…分かりますよ…」
錦戸「同情すんな!!俺の痛みなんか…知るわけないやろ?!」
聖輝「確かに!家族が自殺した錦戸さんの気持ちは分かりません!でも…僕も…ついこの間…両親が死にました。」
錦戸「はぁ?」
聖輝「中学校卒業式前に…交通事故に遭って…死にました…」
聖輝「突然両親が亡くなって…僕は一人で生きていくことになりました…」
聖輝「いや、むしろ死のうと思ってた…だって当たり前にいた両親が突然いなくなって…生きる希望さえ失ったから…」
聖輝「でも…そんな時に…初めておじいちゃんや叔父さんに会って…訳あって家族と疎遠だった父親の息子である僕のことを…温かく迎え入れてくれたんです…」
聖輝「学校だって…本当はどこにも行けなかったのに…叔父さんの紹介でさが高に通えるようになって…」
聖輝「そりゃあ入った当初はすごく怖くて…周りも不良しかいないから…すぐに辞めてやるって思ってた!」
聖輝「でも…こんな僕でも…友達ができたんです!不良だけど…信頼できる友達が…できました。」
聖輝「今の僕は1人じゃないんです!家族は死んじゃったけど…1人じゃない…」
聖輝「だから錦戸さんも…1人じゃないんですよ…?」
錦戸「ふふ…あははっ!1人やないって?俺はずっと1人や…」
聖輝「違います!錦戸さんには…北島先生や…僕がいます。」
錦戸「はぁ?」
聖輝「北島先生は錦戸さんのことすごく心配していました。不良狩りをしていた時も…元の錦戸さんに戻るよう説得してくれって頼まれました…」
聖輝「僕は…錦戸さんが怖いです…いつ殺されるのか…恐怖でしかありません…でも!錦戸さんが1人で苦しんでいるなら…僕は支えてあげたいです。」
錦戸「……。」
聖輝「錦戸さん…僕と友達になりませんか?」
錦戸「友達…?」
聖輝「はい。」
錦戸「…ふふ…友達やって?あはははっ!!」
聖輝「……。」
錦戸「あははっはぁ〜…やっぱりお前は他の奴らと違うわ。」
聖輝「えっ?」