新・Beast〜獣たちに好かれた僕〜
第19章 渋谷先輩
次の日。
教室に着くと、何やらざわついていた。
優誠「おぉ、聖輝!」
聖輝「どうしたの?騒がしいけど…」
優誠「それがさ…新渡戸と苅田って覚えてる?」
聖輝「新渡戸くんと苅田くん…あっ、僕に絡んできて狛犬さんにボコボコにされちゃった2人だよね?」
優誠「そうそう、あいつらさ…復帰直前に魔王と鉢合わせになったらしくてほぼ瀕死状態らしい…」
聖輝「えっ?!魔王さんに?!」
優誠「あっ、お前が知ってる魔王と違うからな?」
聖輝「あっあぁ、偽魔王ね。」
優誠「いやいや、お前が知ってる魔王が偽物やねんって。」
聖輝「えぇ…渋谷さんが魔王だよ!」
優誠「いやいや、渋谷って方はただの不良だから。」
聖輝「むぅ…!!」
優誠「まぁまぁ、それは置いといて。でもあいつら…マジでついてねぇよなぁ…」
聖輝「そうだね…」
さが高に来てから殴られてばっかり…
さすがにちょっと可哀想すぎる…
聖輝「ねっねぇ…瀕死状態って…助かるの…?」
優誠「命に別条はないらしいけど…半年くらい入院じゃね?」
聖輝「半年?!そんな…」
優誠「魔王と鉢合わせになったら最低でも3ヶ月は入院くらうみたいだぜ。」
聖輝「3ヶ月……」
優誠「まぁ、殺しはしないらしいけど…要するに半殺しってやつだな。」
聖輝「はっ半殺し…?!」
優誠「何かよく分からねぇけどさ…魔王って情がないらしいぜ?」
聖輝「情…?」
優誠「老若男女関係なしに殺るし、人や動物の虐待や他人のいじめ、暴力とかも何も感じないって…」
聖輝「酷い…酷すぎる!!」
優誠「そんな奴がさが高のトップだと思うとゾッとするよな…」
聖輝「…ねぇ…その偽魔王をやっつけられそうな人っていないの?」
優誠「偽魔王って…まぁいいや、あいつに勝てそうな奴は……」
「ケルベロスとスコーピオン。」