新・Beast〜獣たちに好かれた僕〜
第4章 狂犬
聖輝「あの…狛犬さんは…狂犬のこと何か知ってますか?」
狛犬「狂犬?あぁ…まぁ、知ってるっちゃ知ってるけど…どうして?」
聖輝「いや、実は…最近僕のクラスで狂犬の話がよく出てて…」
狛犬「そうなの?」
聖輝「はい…西校舎が随分ボロくて傷だらけだって話してて…」
聖輝「それに壁に引っかき傷が多いから、何でだろうってなって…」
聖輝「そしたら1人のクラスメイトがそれは狂犬の仕業だって言って…」
狛犬「なるほどね、確かに西校舎はボロボロだね。」
聖輝「やっぱり、狂犬が暴れまわっているのでしょうか…?」
狛犬「ううん、あれは狂犬だけの爪痕じゃないよ?」
聖輝「えっ?」
狛犬「ここってさ、あらゆる不良がいるからさ〜…中にはナイフを持ってる人もいるしね。」
聖輝「なっナイフ?!」
狛犬「そう!中には校舎内でバイクを乗り回す人だっているし、毎日喧嘩三昧だったら壁や床に衝撃が加わってヒビ割れたり傷がついたりすることは多々あるよ!」
聖輝「なるほど…」
狛犬「東校舎がそんなにボロくないのはこの春休みに入ってからちょっと修正したからなんだよ。」
狛犬「随分老朽化していってたからね、時期西校舎も修正すると思うよ。」
聖輝「なるほど…だから東と西で差があったんですね。」
狛犬「うん!だから壁のことはそんなに気にすることないよ!」
聖輝「そうですか…良かった…」
狛犬「えっ?」
聖輝「いや、もし…狂犬が暴れまわっていたら…いつか僕のところにも攻撃しに来るのかなって…」
狛犬「大丈夫だよ!涼野くんは絶対襲われないから!」
聖輝「えっ?」
狛犬「それに、もし涼野くんを襲うような奴がいたらさ…俺が守るから。」
聖輝「狛犬さん…」
何て優しい人なんだろう…
キーンコーンカーンコーン
聖輝「あっチャイム!」
狛犬「やばっ、教室に戻らないと!じゃあね!」
聖輝「あっ、はい!」
僕も教室に戻らないと!
僕は狛犬さんと反対方向へ走った。