新・Beast〜獣たちに好かれた僕〜
第4章 狂犬
ガシッ
「なっ…?!」
狛犬「……。」
聖輝「……。」
僕はゆっくり目を開けると、恐ろしく怖い表情で男の手首を掴んだ狛犬さんがいた。
「てっテメェ…まだこんな力が残ってたのか…?!」
不良「チッ…おらぁっ!!」
ビュンッ!!
バキィッ!!
不良「ぐはっ…?!」
「チッ…テメェ…!!」
狛犬「お前ら…よくも涼野くんを傷つけやがって…!!」
狛犬「許さない…許…さ…ない……」
不良「なっ…何だ…?」
狛犬「…グッ…ググッ……アォォォーン…!!!」
「なっ?!」
聖輝「えっ…?!」
僕は目が離せなかった。
遠吠えをした狛犬さんは、今までの穏やかな雰囲気とは全然違って……
まるで魔界に住みついた犬のように恐ろしい眼と鋭い爪と牙をしていた。