新・Beast〜獣たちに好かれた僕〜
第6章 FULL MOON
聖輝「ハァ…ハァ…ハァ…」
「あれ?あいつ…何か見たことあるぞ。」
「あぁ、確かこの間の…」
聖輝「ハァ…ハァ…あっあの…にっ…二宮さん…いますか…?」
「二宮?おーい!」
聖輝「ハァ…ハァ…ハァ…」
二宮「なに?」
聖輝「ハァ…ハァ…あっあの…これ…」
二宮「なに?」
聖輝「おっお金が…無くなってたんですけど…」
二宮「へぇ、落としたの?」
聖輝「お金…盗りましたよね…?」
二宮「は?」
聖輝「この封筒に入ってたお金…盗りましたよね?」
二宮「証拠は?」
聖輝「朝、お金の話してた時…封筒を触ってたのは僕と二宮さんだけでした…」
聖輝「それで…さっきの休み時間に封筒確認したらお金が10万円しか入ってなかったんです…」
二宮「他の奴が盗ったんじゃないの?」
聖輝「お金を守る為にも、トイレ行く時でさえもカバンを持ち歩いていたので…他の人が封筒どころかカバンを触ること自体ありえないんです…」
聖輝「でもお金は消えていた…ということは!犯人は……」
二宮「へぇ…あの人の友達だからバカだと思ってたけど…」
聖輝「お金返してください!!」
二宮「あのお金はお前のなの?」
聖輝「ちっ違いますけど…」
二宮「あのお金が魔王のお金だって証拠は?」
聖輝「そっそれは…」
二宮「誰のお金か分からない…だったらお金の所有者だって不明だ。」
二宮「だから、誰がどう使おうが勝手だろ?」
聖輝「なっ?!」
二宮「それに、そのお金は魔王があげたお金…つまり、魔王にとってその20万はどうでもいいお金。」
二宮「お金に執着心がある奴が見ず知らずの人間に20万も大金渡す訳ねぇし。」
聖輝「そっそれは…」
二宮「そのお金、お前が使っちゃえばいいじゃん。」
二宮「宝くじが当たったと思って。」
聖輝「……。」
二宮「あんたの友達ならもうすぐ帰って来ると思うけど、待ってる?」
聖輝「いえ、いいです…」
僕はその場を立ち去った。