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美しい狼~その牙で骨まで食べ尽くされたい~

第14章 すれ違い

夏目side

息が出来ない
胸が苦しい
痛い
痛い

涙が止まらない

どうして
こんなにも苦しいの

苦しいのは
甘い期待をしていたせい
自分の立場もわきまえず
要様を
好きになってしまったから

わかってる
分かってたはずなのに

このお屋敷に来た初日のように
星を見上げながら
声も出せずに泣いていました


どこかで
また
期待していたのかもしれません
要様が
迎えに来て下さることを


でもそこに
現れたのは
要様ではありませんでした。

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