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美しい狼~その牙で骨まで食べ尽くされたい~

第16章 さ迷う羊

要side

バンッ

「失礼致します。要様」

「爺、呼んでいないぞ
 下がれ!!」

「爺やさん!!助けて!!」

「ご無礼を承知で、申し上げます
どうか、今宵だけは
夏目様をお離しになって下さい
 
お願い致します
どうか、年老いた爺の
 
最後の願いだと思って
夏目様をお許し頂けないでしょうか」

「下がれと言っているのが
聞こえないのか!!!」

「このままでは
取り返しの付かないことになりますぞ!

要様も夏目様も救われません。」

「爺やさん、連れて行って」

身体を震わしながら
泣いて助けを求める
夏目に気付いた

はだけたブラウスからは
俺が付けた
噛み痕やキスマークが
所々に
赤く咲いていた

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