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美しい狼~その牙で骨まで食べ尽くされたい~

第20章 かき氷と欲望

俺は
鼻を鳴らして笑ってやった

まぁ、期待はしてないが
夏目のことだ

メイド服のまま
祭りに行きそうな勢いだからな...

少しは、それらしい恰好をしてくれればいい
そんな考えだった

「か…要様…
私…浴衣を持っておりません」

さきほどの嬉々とした表情から一変

すぐにでも
大粒の涙が零れ落ちてしまいそうになっている

「そんなこと知っている
爺に頼めば、どうにでもなる 
なぁ、爺。」

爺は、待ってました!
と言わんばかりに
浴衣の準備は整っておりますと

夏目を着付けさせるために
奥の部屋へと連れて行ったのだった

どれ
俺も着替えて
夏目の七五三でも
笑ってやるか

俺はたかをくくっていた。

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