テキストサイズ

美しい狼~その牙で骨まで食べ尽くされたい~

第23章 まどろみの中で

「あなたの前から、突然消えたりしません。
突然、死んだりしません。
 
だから、一緒に生きていきましょう。
 
貴方が、毎日笑えるように
安らげるように
幸せになるよう
 
私が、貴方を守ります。」

要様は、私の胸に顔を埋めながら
嗚咽を堪え泣いていた様子でした。

「逆プロポーズかよ...

俺が先に言うつもりだったのに。」

「そっそんなつもりじゃ///」

プロポーズという言葉に
あわてふためきましたが、

俺が先に?
その意味が分かると

余計に驚きを隠せませんでした。

「えぇっ!!!!」

頭も心も混乱している私をよそに
要様の涙もいつの間にか
乾いており

真剣な表情で囁きました。

「夏目、俺と結婚してくれ。
 
お前以外、何もいらない。
お前だけが欲しい。」

私は、溢れる涙を止めることができませんでした。

そして、要様の目を見て

「はい。」

と力強く答えたのでした。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ