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美しい狼~その牙で骨まで食べ尽くされたい~

第24章 ハッピーエンドのその先へ

「お母さん...

私、身売りに出されたのよね?」

「何言ってるの、この子は!!
 
そんなこと、
大事な一人娘にするわけないでしょ!!

お父さんと相談して
花嫁修行として預けただけよ!!

カナちゃんがね、
工場のお得意様が倒産しちゃって
 
お父さんがその借金を背負うことになって
いよいよヤバイって時に
 
僕が助けるから、
その代わりにどうしても夏目が欲しいって。

私達じゃ、どうにもならない位の借金だったから
助けてもらえるのならと思って。

でも、一人娘だし...
夏目の意思も尊重したいから...
 
カナちゃんに預けている間に
夏目もカナちゃんのことを好きになったら
 
お嫁に貰ってやって下さいって言ったの。」

「えっ...私が要様を好きにならなかったら、
貰ったお金どうする気だったの?」

「夏目が好きにならない訳ないじゃない。」

母と父は顔を見合わせて
あはははと笑っていました。

まぁ、実際にコロッと好きになったのですが。
両親や要様の
術中にまんまと嵌まってしまった様で
何だか悔しい気持ちになったのでありました。

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