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美しい狼~その牙で骨まで食べ尽くされたい~

第6章 月夜の狼

「怖い夢でも見ましたか?」

驚いた様子の要様でしたが

次第に
私の腕の中で
甘える要様がおりました

「夏目が、
要様を哀しませる、全てのものから

守って差し上げます
 
慌てて大人にならなくて
いいんですよ!
 
要様、私にもっと甘えて下さい...」

背中をポンポンと
赤ん坊をあやすように
さすって差し上げました

「夏目…
俺はお前を失うのが
 
一番怖くて哀しいよ……」

「要様………

大丈夫です。
 
夏目は要様のお側を離れません。
 
決して居なくなったりしません。
 
だから、心配しないで下さい
そんなお顔をなさらないで……」

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