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美しい狼~その牙で骨まで食べ尽くされたい~

第6章 月夜の狼

要様が
15才にして

非常に大人びて見えるのは
ただ
美しいからだけではないのでしょう。

繊細で
根は甘えん坊な
彼が

大人を凌ぐ
大人にならなくては
いけなかった理由...

きっと
このお屋敷の主として

お屋敷や
お屋敷に従事する者たちを守るため

彼は
子供らしさを失っていったのでしょう。

幼い頃に
両親を亡くしたと
爺さんから教えてもらいました。

幾つの夜を
独りで泣いてらしたのですか?

そうやって
要様は
我慢して
強がって

大人になるしか
生きていけなかったのですね。

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