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美しい狼~その牙で骨まで食べ尽くされたい~

第8章 遠吠え

疑問は消えないまま
8才になっていた

相変わらず
経営者になるための難しい勉強や
相続法
詐欺師のやり口など
高等学問の習得は続いた

子どもだから分からない
なんて
甘さが通用するような男ではない

分かるまで
理解して落とし込むまで
徹底的に叩き込まれた

ある日
藤沢の書斎へ
借りていた六法全書を返そうと
部屋に入り机を見ると

綺麗な女の人と
楽しそうに微笑んでいる
藤沢の写真があった

そこへ
丁度藤沢が戻ってきた

「父さん、この写真の人だれ?
キレイだね」

僕の
何気ない一言で

全てが
壊れていくようだった...

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