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護(まも)る

第3章 勉強部屋

 ふすまが敷居を滑る音がしたあと、柱が弾ける音がした。畳が踏み締める音が近づく。敷かれた羽毛布団が踏み付けられ、奥の押入れが音を立てて開く。やがて、安田の筋肉質の脚が学習机の前に立った。
 
 投げるように回転椅子が滑る。行き先を失ったそれが音を立てて倒れた。
 
「なあ、アンタ、十七歳だってな。男ぐれえ知ってんだろ」
 
 派手なアロハシャツから筋肉質の腕が、狭いスペースで身体を丸めたうららに伸びる。
 
 うららはイヤイヤと狭いスペースの奥に入ろうと試みた。
 
 シャツの袖から縁取りだけの入れ墨が覗く。片方の手は醜い肉塊を扱いている。

「大丈夫、痛くしねえから。なあ?」
 
 うららの左の足首が引かれた。丸めていた身体が伸びる。パジャマのズボンと下着が同時に引き下ろされた。両腕が押さえ込まれ、その膝が左右に開かれる。太い男の指がうららのそこに触れた。それが、うららの柔らかな中心に押しあてられる。
 
「きゃ……」
 
 喧嘩は弱い方ではない。いざとなれば男の急所を蹴り上げればよいと思っていた。だが、うららの体重の倍ほどある安田に対しては違っていた。

「ここはもう大人じゃねえか。もう、ぐっしょりだ。まあ、母ちゃんのあんなシーンを見たらなあ」
 
 十七歳のうららにもオナニーの経験はある。ただ、ブラジャーの上から膨らみを探り、ショーツの上から柔らかい部分を擦って中指の腹で泥濘みの中心を撫でる、くらいのものだ。うららの|膣《なか》で男の指が動いた。男の指に身体が左右に裂かれるような痛さがうららの身体を走った。
 
「嫌っ、痛い。痛い」
 
「すぐに女にしてやるよ」
 
 安田はうららに覆いかぶさる。熱い肉塊に身体の中心が押された。
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