
歪んだ僕らの
第3章 暴力的な愛
AM5時
時間が経って日が昇り始めた頃
俺は制服に着替えて若葉の家の前に立っていた。
なんでこんな早くに来たかと言えば、アオも絶対に早く若葉のところに来るからだ。それより先に俺が若葉に会わないとこの計画は失敗してしまう。
2階にある窓に小石を投げる。
小さい頃もこうやって若葉のことを呼んで遊びに行ってたなと懐かしいことを思い出す。
何個か投げたところでゆっくりとカーテンが開き、怯えた表情をした若葉が顔を覗かせた。
アオだとでも思ったのか、俺だと気付いて少し安堵しているようだった。
ジェスチャーで出て来いと伝えるとすぐに若葉は玄関から出てきた。
「…こんな早くにどうしたの?」
若葉の表情は暗い。
こんな朝早くに呼んですぐに出てくるとこからしてアオのせいで眠れずにでもいたんだろう。
アオに左右される若葉に内心苛立ちながらもそれを隠して俺は頭を下げた。
若葉が驚いたように声を上げる。
「…この間は悪かった。腹立って、感情に任せてお前のこと傷付けた。本当に悪かったと思ってる」
深く頭を下げてから顔を上げれば、若葉は固まっていた。
