
歪んだ僕らの
第3章 暴力的な愛
そりゃ、なんで知ってるかといえば、盗聴してるからだがそんなことは勿論隠す。
「実は俺が若葉のこと犯したあと、アオに会ってさ…まさかとは思ったけどお前もアイツも同じ日に欠席してるし、今のお前の反応で本当だって気付いた」
「あっ…」
「だから、お前に俺を守らせてくれよ」
「守るって、どうやって…」
「俺とずっと一緒に居ればいい。アイツだって流石に人前じゃどうこう出来ねェだろうし、ずっと俺と行動してれば手出しできねェだろ」
若葉の目が揺らぐ。
…あと一押し。
若葉の頭に手を置いて優しく撫でる。
「今までよく頑張ったな。俺が守るからもう心配すンなよ」
「…っき、くん…!!」
若葉が泣きながら俺の胸に抱きついてきた。
俺に縋り付いて泣く若葉を抱きしめながら、口元が緩むのが分かる。
アオ、お前のことが大嫌いだけど今だけは感謝してやるよ。
だってお前が1番の悪になってくれたおかげで俺は若葉の隙に付け入ることが出来たんだから。
