
歪んだ僕らの
第3章 暴力的な愛
アイツのせいでイライラしていれば、アオと入れ替わるように制服に着替えた若葉が出てきた。
「ごめん、お待たせ…!」
「じゃあ行くか」
さりげなく若葉の手を握り、学校に向かった。
教室に行くと、いつもの調子でアオが自分の席に座って本を読んでいた。
俺と若葉、いや正確には若葉を目に入れると顔を上げていつものように笑った。
「おはよう、わかばちゃん」
「…っ…お、はよう…」
繋いでる指先から震えているのが分かる。
安心させるように手を強く握り返せば、若葉がほっとしたような顔をした。
俺に絶対的な信頼を置く若葉にゾクゾクする。
それを見るアオの目は冷たい。
そんなアオを横目に若葉を席につかせ、俺も席に着いた。
それから帰るまで俺はずっと若葉と一緒に過ごした。
