歪んだ僕らの
第4章 躾
ドアを背に上がる口角を手で隠す。
「…本当にこれで僕のモノだ」
僕には分かる。
これから先、絶対にわかばちゃんは僕の元へやってくる。
あの条件を出して揺らいだわかばちゃん。もう少しあそこにいたら僕の条件を呑んでいただろう。
でもそれじゃあ、駄目だ。
きっとあの場だけの口約束で少し経ったら僕の事も拒絶する。
そうならないために今は徹底的に追い込まなきゃ。
「…可愛い子には旅をさせよ、って言うしね」
窓から別の棟で保健室に向かうために廊下を走っている輝咲を見て目を細める。