
狼からの招待状
第4章 迷路 -MIROH-
「店の仲間同士─たまにはここで飲めよ」2つのショット・グラスを並べ、七面鳥のボトルを傾けながら、マスターが云うと、「弟が…いつもお世話になってます」フライが几帳面に頭を下げる。
「フライ兄上ですね」立ち上がり、一礼した。 「兄上? そう云う、立派な者じゃないです」照れ笑いをしながら、グラスの中身を流し込む。
「…胃の底が灼ける…」ため息まじりの独り言に、熱い炎の濃厚な香りがする。
─カウンターの時計を見上げ、「ごちそうさまでした。マスター」腰を上げかけるフライに、「グレのご学友がおいでだし、今晩は霧が深い。客はないだろう…。もう1杯どうだ」「マスター」七面鳥のボトルを手に取り、「僕ももう1杯いただきます。兄上、お注ぎします」シォニは笑みを浮かべた顔をフライに向けた。
「…そうか。今ごろ病院で、子供の消毒してんだろ」「俺もアルコールで消毒」バーボンをあおるフライは、宿無しの流れ者にみえる。
「ビルの壁を素手でよじ登る。…兄上は身が軽い」「俺はフライだもの」グレが微笑みを浮かべた。
「見てみぬ振りをしない。フライ─、お前が誇らしい」マスターが骨っぽく笑う。
「フライ兄上ですね」立ち上がり、一礼した。 「兄上? そう云う、立派な者じゃないです」照れ笑いをしながら、グラスの中身を流し込む。
「…胃の底が灼ける…」ため息まじりの独り言に、熱い炎の濃厚な香りがする。
─カウンターの時計を見上げ、「ごちそうさまでした。マスター」腰を上げかけるフライに、「グレのご学友がおいでだし、今晩は霧が深い。客はないだろう…。もう1杯どうだ」「マスター」七面鳥のボトルを手に取り、「僕ももう1杯いただきます。兄上、お注ぎします」シォニは笑みを浮かべた顔をフライに向けた。
「…そうか。今ごろ病院で、子供の消毒してんだろ」「俺もアルコールで消毒」バーボンをあおるフライは、宿無しの流れ者にみえる。
「ビルの壁を素手でよじ登る。…兄上は身が軽い」「俺はフライだもの」グレが微笑みを浮かべた。
「見てみぬ振りをしない。フライ─、お前が誇らしい」マスターが骨っぽく笑う。
