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放課後は、ヒミツの待ち合わせ。(R18)

第14章 夏祭りと朝焼け

こんな必死なこっちのことなんか、色葉にわかるわけもなく、


「……手つないでもいい?」


こうやって、天然仕立ての小悪魔は可愛らしく言うんだ。


「……ん」


手に伝わる小さな温もり。


「小さいころ、あたしも寝れないときがあって、お兄ちゃんがこうやって布団で手つないでくれたんだ。そしたらちゃんと寝られたの」


「そっか」


でもそれは……俺には逆効果みたいだよ。



手から伝わる温もりが欲を掻き立てる。


もっと触りたい。


バクバクと心臓が鳴り始める。



気をぬけば覆いかぶさってしまいそうだ。



「……っ」



――理性、集まれ。

3.1415926535 8979323846 2643383279 5028841971……


無になれ、俺。


ああまじで、


「どうかした? 澄くん?」


蛇の……生殺し。

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