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放課後は、ヒミツの待ち合わせ。(R18)

第16章 好きは、マジック

呆れっぽい笑顔で澄くんは両手を差し出した。


あたしはそこにそっと飛び込む。



きゅっと、何もかもを包み込むような抱擁。


胸を伝う激しい心音。



冷たい水滴をこぼすラブレターの折り紙が手元ではたはた揺れている。



「両想いなの?」

「……うん、両思い」


「……っ」


しあわせすぎて、また涙が浮かんできた。



触れ合うようなキスからあふれるのは、大好きの気持ち。



「……色葉、そろそろ教室もどろ」


「まだ昼休みの時間残ってるよ」


「さっさとみんなに言っときたいもん。この子は俺の彼女ですーってやつ?」


「えぇ!?」


「だって、ほかの男寄ってくるのやだから」



「こないよ……」


ていうか、本気なのかな……?
みんなに発表するの……?


「そんな緊張しなくてもいいよ。
……色葉は俺の隣で、真っ赤になって俯いてればいい」


ニヤリ、口元に意地悪な笑みが浮かぶ。



もうすでに頬が熱いあたしを、彼は笑う。


そしたらピタッと彼の足が止まった。



「やっぱやめよ。俺の色葉だし、独り占めするべきだよな」


そう呟く彼に連れられて、手品部の部室に戻った。


ドアをしめてすぐ、


後ろから両腕を伸ばし、あたしの肩にのせた彼は、ふわりと抱きしめて



「……俺、色葉の可愛いの全部、誰にもわけたくない」



耳元に落ちる甘えっぽい声にきゅんとする。


「……うん、独占……してほしい」


「……そういう可愛いこと言って煽るの禁止」



「きゃ、も、澄くん……っ」






この日の昼休みがあたしたちだけ1時間も延長されたこと。


――それはやっぱり、ふたりのヒミツ。




【放課後は、ヒミツの待ち合わせ。】

Fin

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