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せいぎのみかた

第3章 ダイキの正義

ネットを見た人たちが炎上して名前が映っている会社を攻撃したり、悪質車両としてナンバーを拡散することはあったが、あおり運転等の危険運転はなくならない。

警察がネット画像を見てあおり運転野郎を捕まえてくれることも期待したが、それはなかった。

映像を拡散するだけでは手ぬるい、あおり運転野郎には罰を与えなければならないと思うまでに時間はかからなかった。

助けなきゃ。映像を拡散するだけで見過ごしていればこの危険極まりないあおり運転野郎のせいで被害者は最愛の女性のように命を失うことになるかも知れない。

ダイキはあおる車とあおられる車の間に強引に割り込んであおりを妨害して、今度はあおっていたヤツを逆にあおってやった。

とことん追い詰めて一方的にあおられる怖さと痛さを教えてやる。これがキサマのやったことだ、思い知るがいい。

ダイキがあおり運転野郎に制裁を加えていると白バイが出現してダイキを捕まえた。

道路交通法違反、危険運転、そして個人が特定できる映像を拡散したことによるプライバシーの侵害、威力業務妨害の罪でダイキは逮捕され、実刑となった。

ダイキに社名を晒されて炎上した会社の中には自分の社員のやった悪質なあおり運転は棚に上げて盗っ人猛々しく被害届を出している会社もあった。

そんな被害届を受理して悪質なあおり運転については捜査もしない警察には憤りしかない。

そもそもオレがあおってたヤツだってはあおり運転の加害者なんだ。

悪者、犯罪者を守るのが警察のやることなのか。

彼女の死はなんだったんだ。
あおり運転のような悪質な違反は絶対に許さないんじゃないのか。それを見過ごしてノルマのために些細な違反ばかりを捕まえて点数を稼ぐのが警察のやることなのか。

失われた命の重さを痛く受けとめて本当に悪いヤツ、危険なヤツに立ち向かうのが警察じゃないのか。

警察がやらないからオレがあおり運転のような悪質極まりないヤツらを撲滅するんだ。

声を大にしたダイキの主張に耳を痛そうにしている警察官もいた。

だが、ノルマ優先の警察という組織が変わることはなかった。

結果として悪いことをしたヤツは守られ、正義のために戦ったダイキは犯罪者になった。





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