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せいぎのみかた

第4章 ケンヤの正義

客など一切入れずに配信だけしていたのに心ない脅迫めいた貼り紙をされたこともある。
仲間の飲食店やライブハウスも同様の仕打ちを受けた。

自粛警察と呼ばれる歪んだ正義を振りかざして弱者を攻撃していたぶる卑劣なヤツらがのさばり始めた。

仲間の中にはいつまで続くか分からない自粛、経済的困窮から自殺に及んでしまった人もいる。自粛警察といわれるヤツらの心ない仕打ちがさらに悲観させて自殺にまで追い込んでしまったのだ。

コロナは恐ろしい殺人ウイルスだが、本当に恐ろしい人殺しは人である。パチンコをしに嬉々として県外からやってきてウイルスを撒き散らすヤツら、歪んだ正義を振りかざして弱者をいたぶり喜ぶヤツら。ヤツらはもはや人ですらない。おぞましい殺人モンスターだ。

心ない貼り紙をしたヤツらを突き止めてやった。許せないことにヤツらも店を経営していて、他人には心ない貼り紙で攻撃しておいて自分たちは営業をしていた。

絶対に許せなかった。必ず死んでいった仲間の仇を取ってやる。

他人のことをとやかく言う前に自分が自粛しろ、お前のせいで人が死んだ、殺人犯が経営する店とデカデカと貼り紙をしてやった。

さらに店の様子を撮影して、人を殺しておいてのうのうと営業する殺人店としてネットに拡散してやった。

パチンコ店には殺人営業はやめろ、三密を作るな、こんな店に三密を作りウイルスをバラまく愚かなヤツらもこの街から消えろとデカデカと貼り紙をしてやった。

嬉々としてパチンコ店に行列を作る愚かなヤツらを撮影して、ハッキリと顔が見えるようにネットで拡散もしてやった。

また、二度とウイルスをばらまきにこの街に来ようなどとは思えないように他県の車を見ればあおってやったり、タイヤをパンクさせたり、殺人犯めこの街から出ていけと貼り紙をしてやったりと嫌がらせの限りを尽くしてやった。

ウイルスをばらまきにやってくるヤツらは大きな害虫だ。害虫は駆逐しなければならない。

ところが、ケンヤの所に警察官が数人で密を作ってやってきてケンヤは逮捕されてしまった。

報復という名目での器物損壊、名誉毀損、威力業務妨害、パチンコに並ぶ人たちの顔を晒しものにしたプライバシー、肖像権の侵害、道路交通法違反・・多くの罪でケンヤは実刑となった。

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