
邪恋の爪痕と片恋の彼
第6章 戻らない日常
「いいギャラリーにしたいですから、頑張りましょ!」
「――――そうですね、頑張りましょ!」
御船は追加の資料を置いて会議室から出ていった。
「――――境井…さん?」
「ん?どうした――――…あ、これ追加資料だから目を通しておいてくれ…建築が早く進んでいるみたいだから前倒しで準備した方がいいかもな?ミス赤羽と連絡がつき次第会えるように手配してくれ」
心配そうに俺を見る真壁の顔に「大丈夫」
と、笑って見せた。
――――大丈夫…
大丈夫――――…
野田…
やっぱり――――…会いたいなぁ…。
