
邪恋の爪痕と片恋の彼
第7章 殻への興味
思いがけない初恋を――――…あんな感じで締めくくったら…
そりゃぁ誰でも…あ~なるか?
俺は、テキパキと働く境井さんの背中を見ながら…「ゾンビみたいだな」と、心の中で毒づく。
最初は、野田先輩が気になっていた――――…
男らしい体つきに…短髪、背も高くて考え方とかガッツリ体育会系で……スーツの上からでも分かる胸板の厚さは…多分俺好みの身体をしていると思った。
しかし、ど~考えてもノンケで……ただの“目の保養”ぐらいの感じだった。
ゲイの世界とは無縁な――――…普通の男…
「――――俺だって…それなりに落ち込んだんですよ…」
でも――――…俺より…穴が開くくらい見つめていた境井さんは…訳もわからず…愛していたんだと思う…。
