
邪恋の爪痕と片恋の彼
第7章 殻への興味
――――――――……
「真壁、このデザインでクライアントからOK出たから――――」
秋のハウジングギャラリーのポスターやWeb広告のデザインの最終チェックが出来上がり、今月の末には大々的にギャラリーの宣伝が始まる。
「長い準備期間でしたね……」
「そうだな、これらを納品して俺たちの仕事も一段落だな」
ニッコリと笑うビジネススマイルにもなれてきたが…
やっぱり境井さんの…その笑いは気持ちが悪いと思ってしまう。
「じゃぁ、御船さんの所に行ってくる」
「――――は…い」
最近では境井さんの目を見て話すこともなくなった…。
早く――――終わらないかな…この仕事……なんて、考えることもある…。
――――最低だな…俺。
だが、あの笑顔を向けられると……テンションは上がらないし気分も悪くなる。
