
邪恋の爪痕と片恋の彼
第7章 殻への興味
そういえば――――…
境井さんはあのハワイアンジュエリーをどうしたのだろうか…。
事故のニュースを、見ながら握りしめ――――血まで流した…
あのジュエリー…。
――――まさか、首からかけてないよなぁ?
いくら野田先輩の最後の贈り物だとはいえ――――…辛くなる物を身に付けるだろうか?
俺は少し気になり――――境井さんの首もとを見るも…ちゃんと見ることができなかった。
――――さすがに…してないか。
しかし、手放すことはしないだろう…。
俺は、久しぶりに見た境井さんの首もとにドキリとした。
真面目で清潔、そして少し潔癖な――――…境井さんのキッチリとした…首もと…。
あの首もとに――――…何度も口づけし…舐め撫でた――――。
――――もう、二度と…出来なさそうだな…。
