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邪恋の爪痕と片恋の彼

第7章 殻への興味


仕事が終わると――――…俺は馴染みの店に顔を出す。




「あら――――!いらっしゃい!」




落ち込んだときは、この店に来るとスッキリする。



「ど~も、元気でしたか?ママさん!」


「元気よ、センちゃんは?――――ん?元気ない?」



ゲイbar【ベガ】のママがカウンターからゴリゴリマッチョな体にピタピタなシャツを着て身体をくねらせる。


顔も髭を生やしている癖に厚化粧と…見るからに化け物だが、ここのカクテルは旨いのだ。


「元気無さそうに見えますか?なら、夏バテですね…」


「そ~なの?じゃぁ、今日は待ち合わせじゃないの?この間、サチが面白いことを言っていたわよ?」



――――あいつ…変なことを言っていないといいんだけど…。




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