
邪恋の爪痕と片恋の彼
第7章 殻への興味
ぶっちゃけ…境井さんを意識するまでは、ちんこでセックスなんて考えていなかった。
完全なるネコ(受け)専だと自負していたし…。
「///ただ…あの人――――…が…欲しかった…ってだけです」
よく考えて…口から出た答えがそれだった。
“欲しかった”
野田先輩に惹かれ…現実に絶望しそうなあの人が…
“欲しかった”
「――――ふっ、ベタ惚れじゃねぇ~か…妬けるねぇ…」
「だから…違うし――――…それに…負けたし…」
俺は…“負けた”
野田先輩の――――…残像に…
“負けた”
「セン――――…
死人に未来はねぇ…
生きてる人間と…未来に行けるのは――――…
生きてる人間だけだ――――…」
そう言うと…トモさんは俺の頭を…撫でた。
まるで――――子供をあやすみたいに…。
「――――分かって…ますよ……でも、今は残像が強すぎて…あの人に俺は見えてないんです……。しかも、死んだ日に……贈り物がその人から届いて……たちが悪すぎる」
俺は、バッドタイミングで送られてきたハワイアンジュエリーを思い出す。
「なんとも――――手強そうな…残像だな?」
「――――本当に…」
