
邪恋の爪痕と片恋の彼
第10章 手料理と自覚
「この度は、ご迷惑をおかけしました」
仕事復帰の挨拶は謝罪からとなった…。
いきなり倒れ――――…緊急入院となった俺だが、2、3日で退院できたのは幸いだった。
「熱中症…だって…!大丈夫でしたか?仕事に集中してて…水分とるの忘れてたって、言うじゃないですか…。今回の宣伝に魂詰め過ぎたのなら…私どもの責任ですね」
ハウジングギャラリーに顔を出し、倒れた事を御船さんに言われると…とても気が引ける。
「はあ///体調管理も仕事のうちなのに…申し訳ないです」
「えいえい――――逆に…気がつけなくて…」
本当は栄養失調で倒れたのに…熱中症などと会社に報告した真壁をチラッと見る。
「栄養失調なんて――――…どう言い訳するんですか?追求されて困るのは境井さんですよ」
と、会社に行く前に打ち合わせをしたのだが――――…気か引けるのは…引けるのだ!
「今日は、見学と他社の広告などのリサーチですので、よろしくお願いいたします」
