
邪恋の爪痕と片恋の彼
第10章 手料理と自覚
会社に挨拶した足ですぐにギャラリーに顔を出したが、数ヵ月前まで何もなかった場所に、何件も新築が立ち並び“夢のマイホーム”に拍車をかけていた。
「へぇ~…こうも何社も新築が建ち並ぶと…住宅地にいるみたいですね」
「そうだな――――…各会社の得意な物件で勝負をしているのがわかるな…」
真壁はハウジングギャラリー自体が始めてらしくキョロキョロと建ち並ぶ住宅を眺めていた。
「――――新築ってのがテンション上がりますね」
「///は?…お前のマンションだって…新築で結構立派じゃないか……」
――――退院して…俺は真壁の部屋に厄介になることにした。
あの部屋に…帰りたくない…ってのが本音だったが…
真壁の事を知りたくなっていたのも事実。
“側にいたいです――――…”
“貴方が、好きです”
と、言われてドキドキしたのも…事実…。
この、数日で――――…
俺の中の…
何かが揺れ動いていた。
