
邪恋の爪痕と片恋の彼
第10章 手料理と自覚
「はぁ…」
本当――――…ため息しか出てこない。
真壁の部屋で厄介になると決めた時から…再び身体の関係になるかもと……思っていたが…
退院したあと――――…全く立つ気配がない自分の中心に焦った。
しかも――――いつから…反応していなかったか…振り替えるしまつ。
そして、愕然とする――――。
“数ヵ月…立った所を…見ていないのでは?”
と…。
それに気がついてからは――――気持ちばかりが焦って…
ますます反応の“無”に落ち込み…真壁にまで後ろめたくなる。
「ヤバい……かも…」
これも過剰な“断捨離”の爪痕なのか?
最近は自分の下半身の不甲斐なさに胃が痛くなる。
「ど~して、俺は……ダメなやつなんだ…」
俺は一人部屋のなかで小さく踞った。
